何を今更とお思いかもしれませんが、4月7日かねてより念願の香川県金丸座で一年に一度行われる『こんぴら歌舞伎』に行って参りました。20数年歌舞伎に通いつめている私も初めての体験です。
この日のお着物と帯は青紅葉づくし。紅葉は紅葉でも、新緑の季節を先取りしたグリーン鮮やかな紅葉でございます。日本は春夏秋冬四季があり、そして着物は季節を先取りするのが粋とされております。例えば「桜の季節に本物の満開の桜と競ってもね」・・・というわけで、桜をまとうのは蕾がほころび始めた3月。それを「めんどくさーい」と思うか「うわっソレ面白いっ!」とのれるか、そこが着物にハマるかどうかの別れ道のような気がします。
さて『こんぴら歌舞伎』。今年は、ニューヨークなどで歌舞伎公演をされた勘三郎さん引きいる座組。毎年座組が変わるこんぴら歌舞伎、次にこの役者さんがこの役をここで演じるのは10年、20年先というようなまさに一期一会の世界です。
勘三郎さんは、ギリシャの芝居を歌舞伎に取り入れたり、現代劇の演出家を外から招いたりと、次々と新しい歌舞伎にチャレンジしてらっしらっしゃる方。流行りものをどんどん取り入れて庶民がなじみやすい芝居を目指した江戸時代の歌舞伎のスピリットを現代に生かしています。
でも私は、昔ながらの古典的な歌舞伎、その様式美とか型が新鮮で面白いと思っているので「ああ、勘三郎さんが、昔ながらの歌舞伎を演じたらどんな素敵だろう・・」と、恋い焦がれておりました。そして金丸座、初日の『俊寛』は、もうこれぞ勘三郎さんの底力と(勝手に)思えるほどに、素晴らしかったです。
ラストの「これでよかったんだ」と一人流刑の島に残る俊寛の微笑み、この幕引きでは嗚咽をこらえるが大変でした。息子さんの七之助さん、勘太郎さんの成熟ぶりといい、みんながここにあるべくして集っているという、奇跡のような瞬間立ち会えたような気がしました。
それは『金丸座』という異空間が、なにかを引き寄せたのかもしれません。
でも私は、昔ながらの古典的な歌舞伎、その様式美とか型が新鮮で面白いと思っているので「ああ、勘三郎さんが、昔ながらの歌舞伎を演じたらどんな素敵だろう・・」と、恋い焦がれておりました。そして金丸座、初日の『俊寛』は、もうこれぞ勘三郎さんの底力と(勝手に)思えるほどに、素晴らしかったです。
ラストの「これでよかったんだ」と一人流刑の島に残る俊寛の微笑み、この幕引きでは嗚咽をこらえるが大変でした。息子さんの七之助さん、勘太郎さんの成熟ぶりといい、みんながここにあるべくして集っているという、奇跡のような瞬間立ち会えたような気がしました。
それは『金丸座』という異空間が、なにかを引き寄せたのかもしれません。
『こんぴら歌舞伎』ご興味のある方は是非また来年、着物でご一緒しましょう!