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2009/11/21

日本最古の歌舞伎舞舞台(The oldest Kabuki stage)

群馬県赤城町にある日本最古の歌舞伎舞台で、一年に一日だけ、町の人たちの手作り歌舞伎が行われると聞き、お邪魔しました。




『日本最古の歌舞伎舞台』は苔むした茅葺き屋根の風情ある佇まい。

『二重』と呼ばれるセリヒキ機構は小さな舞台を二段に重ね、天井と奈落の装置を回すことでせり上げたり、せり下げたりしてゆくものですが、『歌舞伎座』の舞台を見慣れている私でも、それが天井や床にもぐりこんだ80人ものボランティアの方たちの人力で動かしていると聞くと、ちょっと感動ものでした。

そしてこの装置が、この村で生まれた一人の大工、永井長治郎さんの手で、江戸時代にすでに作られていたのだと思うと、驚きもひとしおです。

国の重要有形民俗文化財に指定されているこの舞台もさることながら、この日のために、木を切り倒し、垂木を組んで縄で結び、ゴザを敷いて観客席を組み、セットの背景が剥がれていれば修繕し、芝居の稽古をし・・・半年以上前から土・日返上で準備をしてらした町の方たちの熱意にも感服します。


全てがボランティアでまかなわれ、江戸時代から入場料タダという心意気は今だに受け継がれています。そして「江戸時代の芝居小屋へようこそ」というこのおもてなしの心と、その心が宿った屋根や客席が国の無形文化財に指定されていると聞き、とても嬉しく思いました。

でも、今までそれを支えて来れたのは、村に『茅葺き』『建具』『宮大工』などの職人さんたちがいらしたから。残念ながらこの時勢で、その技を継承する方も減り、ボランティアの数も年々減っているそうです。

更に財政面も厳しく、この一回の公演に必要な実費(縄代、材料、修繕費、衣装クリーニングなど)150~160万円を捻出するのも大変です。

今回初めて、この歌舞伎に外部のボランティアの方々が参加しました。
私に声をかけてくれた友人の映画監督野田香里さんを中心としたメンバーです。彼女は自身がボランティアに参加するだけでなく、外国人の方に赤城町でホームスティを体験して頂きながら歌舞伎のボランティアに参加して頂く企画も立ち上げています。

江戸時代にタイムスリップしたような歌舞伎舞台を再現してくれるこんぴら歌舞伎の金丸座も貴重ですが,江戸時代の建物がそのままが残っている赤城町のこの舞台はまさに、失ったら二度と戻らない貴重な日本の財産。
歌舞伎座が惜しまれつつも建て替えられることになり、尚更、日本人としてこの最古の舞台を支えてゆかなければという思いを強くします。
一人でも多くの方に感心をもっていただき、着物を通してこのイベントを盛りたてる一助となれればと思っています。
野田香里さんのブログはこちら

2009/11/17

Giappone in Milano

大好きなイタリア、ミラノへ行ってきました!

海外で日本人の活躍や日本の文化に触れると、誇らしい気持ちになると同時に、その国の人との距離がグッと近くなったようで嬉しくなります。外国の方にも着物に親しんで頂きたいという私の夢も『政治や経済だけじゃなく人と人との結びつきを深めたい、もっとその国を好きになりたい、もっと日本のことを好きになってもらいたい』というシンプルな願いから生まれました。

ミラネーゼの「日本が好き!」という気持ち、拾い集めてみました!

『春画(shunga)』の展覧会。ミラノの中心ドゥオーモにある『Palazza Reale』にて。このポスター、地下鉄のあらゆるところに。 日本人の私でも『日本のエロス』にお腹一杯、何しろ江戸時代のアダルト雑誌みたいな ものですから。イタリアの方にどんな風に受け取られたかちょっと心配(笑)。でも実 際に展示された日本の古い着物を見てもらったり、春画に描かれた江戸の風物を知って もらったりするのは嬉しいことです。


『カルティエ』のディスプレイ

『NOBU』はイタリアで活躍している日本人シェフの店。ノブさん、イタリアで料理本も沢山出してらっしゃいます。


『武満徹特集』スカラ座にて。残念ながら既に終了していましたが大々的に催されたようです
















『10 corso como』は毎回立ち寄る大好きなカフェ。

緑が一杯、こんなに 近くまで雀が・・・そしてトイレに『盛り塩』発見!


『MUJI』は世界に広がってます。 無印良品イタリアの女社長、美穂さんと。彼女、 一年前は私と日本のイタリア語学校で机を並べていた筈なのに??今ではイタリア語で テキパキ部下に指示を出してます!


『ANTEPRIMA』
あのキラキラワイヤーバックで大人気、純粋イタリアンブラン ドと思われてる方も多いのでは?実は日本人、荻野いづみさんが立ち上げたブランドです。ミラノでも堂々とした店構え。
 『Japanese in London』
日本が誇るプリマドンナ吉田都さん。ミラノではありませんが、ロンドンの地下鉄じゅうにこのポスターが。英国ロイヤルバレエ団の公演、堂々主役です!

2009/11/12

憧れのスカラ座で着物(Kimono in the theater Scala)



憧れのスカラ座バレエを着物で鑑賞してきました。海外の色々な場で着物を着る機会はありましたが、こんなに皆さんに喜んでいただけるとは!目があうとニコニコと微笑んで下さったり、「ビューティフル!」と声をかけてくださる方もいて、とても嬉しかったです。






オペラよりバレエの方が比較的カジュアルな服装が多いとは聞いていましたが、そこはやはりスカラ座、ロングドレスの方も。




ここでは子供たちまでが、可愛いフリルのワンピースやチャイナドレスなどで着飾っています。小さい頃からこういう場で晴の日の立ち居振る舞いを身につけてゆくのでしょう。さすがに日本から振り袖を持ってゆくのは大変なので、軽めの色無地にアンティークの刺しゅう帯を持参。それでも華やかで珍しい着物は目を惹くようで、沢山のお褒めの言葉を頂きました。




バレエ『ジゼル』は、夢中で見入ってしまい、時間があっという間に過ぎました。とんでもなく高くとんだり何回転も回ったり・・・というテクニックを誇示する踊りではなく、佇まいやしぐさ、指先の隅々まで気持ちが行き届いているという感じの美しさです。

スカラ座では一旦舞台が始まると途中で入場退出することが出来ないらしく、私も危うくしめだされる寸前でした。それはそれは厳しく、係のオバサンたちが廊下に面した出入口をしっかり守っていて、舞台が始まる数分前には鍵をかけてしまうのです。トイレが混んでいようが、仕事で遅れて来ようが、舞台が始まったら次の幕間までの1時間余り、入れて貰えないのです。あの時間におおらかで有名なイタリア人たちが、文句も言わずにそれを当然のこととして受け入れているのだから驚きです!でもそれはきっと、遅刻して舞台を妨げるなんてもっての外、という意識の高さの現れなのでしょう。それだけこの国では芸術家に敬意が払われているということで、そしてそういう土壌で育まれてきたバレエはやはり半端ではなく、主役は勿論のこと脇役のレベルも高く、本物の底力を感じました。                  

2009/11/07

深川製磁ミラノスタジオ(Fukagawaseiji in Milan)














ミラノに行くといつも立ち寄るのがこの深川製磁さん。もともとイタリアとはご縁があったそうですが、5年前、今の閑静なブレア地区に出店。有田焼きのショウルームと、日本文化を紹介するためのアートギャラリーを兼ねています



お店を任されている日本人女性中川ますみさんとすっかり話しこんでしまいました。
深川製磁では、毎年『ミラノサローネ※』で新作を発表し、世界中から集まった方たちの注文を受けて商品としてお渡ししているそうです。

純粋に日本的な絵皿のラインナップと注文を受けてから外国仕様で作るデミタスカップの2本だてでセールスを展開。












日本文化の発信地として、そして世界を相手にビジネスを展開しているお手本として、深川製磁さんからは色々学びたいと思っています。

着物と器、相乗効果で日本のよさを伝えることが出来たらいいですね!なんてすっかり意気投合してしまいました。













昨年は桜、今年はひょうたんがモチーフ















デミタスカップは手にしてみるととても軽いのに、1200度の高温でやきしめているため、とても丈夫だそう。色がくっきりと美しく出るのも高温ならではとか

※ミラノサローネ毎年4月にミラノで行われる国際的なイベント。中心となる展示場では世界中から集まった企業が、インテリア、照明、キッチン用品などなど最新のデザインを紹介。街中の店やショウルームでも趣向を凝らした催しが行われ、街をあげてのお祭りになる。